内臓調整テクニック

内臓調整とは腹部にある内臓の位置を調整し歪んだ位置感覚を正常に戻すことで本来の内臓が持っている機能を発揮出来るようにするテクニックのことです。

内臓にアプローチすることで内臓と隣り合って存在する身体の奥深くの筋肉や、全身にネットワーク状に存在している*腹膜や筋膜といった膜組織も同時に調整されるので、身体の中からバランスを取り、関節や筋肉の働きを良くすることが可能になります。

また、内臓周囲には非常に多くの神経ネットワークが張り巡らされており、自律神経の調整にも欠かせない部分です。

以上のような様々な理由から、お腹へのアプローチは一般的に接骨院や整体院でアプローチされている腰や背中の揉みほぐしと比較してもより小さなリスクで大きな効果が見込める施術法と言えます。

*腹膜や筋膜といった膜組織:内臓や筋肉を包んでいる膜。骨や筋肉と同様に身体を支えるための重要な組織のひとつ。

そして当院の内臓調整テクニックは「直接法」「反射法」を組み合わせて行っています。

直接法:内臓そのものにダイレクトにアプローチして構造的なバランスを調整する方法

反射法:それぞれの内臓に対応して体表(手や足、背中など)に点在している反射点を押圧して内臓に刺激を与え調整する方法

内臓調整テクニックが現代人になぜ必要なのか

内臓調整をもう少し詳しく説明させてください。

まず、内臓調整テクニックが現代人になぜ必要なのでしょうか?

100年前の人々の生活と現代の私たちの生活様式の変化を想像してみてください。

当時の仕事といえば一部の例外があったでしょうが、ほとんどの人が手や足を使う体力仕事だったと思います。

多少の疲労感は残るものの、よい汗をかき、運動不足もなく、体を動かした後の健全な空腹感もあり、内臓そのものも健康だったものと思われます。

反対に、現代に生きる私たちはパソコン作業などのデスクワークがメインになり、体を動かさず、頭脳労働の量が増大しています。

またスマートフォンの普及で日常生活でもスマホ画面を見ることも多く肩こり、眼精疲労や頭痛などに悩まされたり、日々競争にさらされることのストレスから自律神経の機能も失調し慢性的な疲れを感じやすくなっているという状態になっています。

100年前と比べて生活環境面はどうでしょうか?

空気や水は現在と比較してはるかに清浄で食べ物も安全で安心なものであった思われます。しかし現在はどうでしょう。

水道水は塩素消毒され、空気中には排気ガスやPM2.5、花粉などが飛散し、アレルギー症状などの原因になっています。

そして飲料や食品などは加工された物が多くなり、自然由来の物ではなく人工的な添加物や防腐剤などが含まれたものを口にする機会が増えています。

つまり身体の中に入ってくる人工的な物質は消化器、呼吸器にかかわらず、昔と比べてはるかに多様多種になっているということです。

そしてそれらを消化や吸収し解毒、排出するのは内臓の仕事です。

過去の人々よりも現代人ははるかに内臓を酷使しています。つまり内臓が悲鳴を上げている状態です。

内臓を酷使した結果どういったことが身体に起こるのか?

人体最大の臓器、肝臓を例にとってお話してみます。みぞおちあたりから右側に位置する大きな臓器です。

人間は様々な物を摂取します。お酒、甘いものや薬、そして食品添加物が食べ物を通じて体内に入ってきます。

日本の食品添加物の規格は安全性に十分配慮されていますが、ひとつひとつの食品に含まれる添加物は基準値内でも口にする品目が多くなると複合的に摂取することにもなり、身体にあまり良い影響は与えません。

私たちの体に入ってくるそんな毒素は肝臓が日々解毒してくれていますが、そんな肝臓も無理が重なり負担がかかってくると、肝臓は重く固くなり下垂します

肝臓が下垂すると、その下に位置する胆のう右の腎臓上行結腸など、身体の右側に位置する臓器を圧迫します。

また、内臓の下垂が右の大腰筋などの体幹の筋肉にも干渉してしまい収縮が起こるため、背骨の左右のゆがみが現れたり、右肩の下がりが大きくなるなどの全身のバランスの崩れが連鎖的に起こってしまいます。

そのため右肩や右腕に痛みや右腕が上がりにくくなるなどの症状がある場合は肝臓に負荷がかかりすぎているということが考えられるのです。

このような形でひとつの内臓への負荷がドミノ倒しのように身体全身の不調を引き起こしていくこともあります。

内臓調整の必要性がおわかりいただけたでしょうか?

現代のような色々な物質が身体に入ってくる状況では、内臓の仕事量が増えて入ってくる一方で、分解や排出が追いつかず負担がかかるという状態に陥りやすくなっています。

そのためには内臓を調整することで内臓が働きやすい環境をつくり、消化吸収や排出能力を最大限発揮できるようにすることが必須になってきているのです。